フリーランスという働き方
最近、フリーランスの働き方やGROW UPの体制について取材を受けたり、
https://www.lifehacker.jp/2017/08/170816-10-suprising-stats-about-todays-independent-workforce.html
こんな記事を読んで、フリーランスという働き方について、ちょっと考えてみました。
私自身、フリーになってもう12年が経ちます。(歳を取りました。。)
独立当初は、クライアントから問い合わせをもらって、先方へ伺ったにも関わらず、フリーは信用できないとか、フリーランスと知らずに問い合わせしてきていて、フリーと知った途端、あなたと直接の取引はできない、なんて言われたこともありました。
だからこそ、身なりに気を使ったり、フリーでもこいつは信用できるぞと思ってもらえるように、色々と考えたり、努力はしましたけどね。結果的にはそれが今に繋がっているので、そういう経験も良かったと思っています。
それがここ数年は確かに、フリーランスという言葉が浸透し、フリーだから信用できないなんてことは言われなくなりました。
それはフリーランスで働いている者にとっては良いことです。
むしろ、経済産業省なんかは働き方の1つとして、フリーランスを推進しようとしているくらいです。
でも、フリーランスって??
フリーランスの定義って非常に曖昧です。
私の中ではフリーランス=個人事業主と思っており、「事業主」という言葉がつく以上、真剣にビジネスを行っていく個人という定義があります。
ただし、主婦をしていてパートに出るよりは稼げるし、時間の融通も利くし、事業というほど真剣には考えていないけど、自分はフリーランサーという人も多数います。
あるいは1年の半分はフリーランスとして働き、残りの半分は雪山にこもってスノボ三昧という方にも会ったことがあります。
フリーランスを別の言い方にすると、「個人事業主」「自営業」「自由業」「SOHO」「内職」、、、、と広範囲に渡って解釈できてしまいます。
これを一色単にくくって、国が「フリーランス」という言葉で働き方を推進するって、おかしくないですか?
フリーランスのメリット
もちろん、フリーランスなら時間の使い方を自由にできるし、もっと言えば自分のやりたい仕事だけをやるなんてことも可能です。あるいは、とにかく頑張って、高い収入を得ることだって可能です。
フリーランスのメリットは、推進しているwebサイトやブログを見れば、いくらでも書かれていますし、実際にそれらに書かれているメリットは私も事実だとは思います。
だけど、そのメリットを享受できるのも、フリーランスになれば誰でも享受できる訳ではありません。
フリーランスに必要なスキル
当然、専門スキルが高いことは必須です。
その他に経理はもちろん、営業的なスキルも必要です。
もし、あなたが現在どこかに勤めていて、社員の時と同じように仕事を出すからフリーにならないか?って言われたらどうしますか?
そうなると、同じように仕事を出してくれたとしても、その会社は自分の会社ではなく、取引先の1社に変わります。
フリーランスになった以上、その取引先が倒産するかもしれないですし、あるいはいきなり業績悪化を理由に仕事を出してくれなくなる可能性も大いにあるので、もっと取引先を増やすための活動が必要になります。
また、情報収集スキルも必要です。
会社に入れば、喫煙室で、ランチの時、飲み会で、など色々と情報交換できる場があります。さらに、会社の体制が整っている場合なんかは、もっと自然に最新の必要な情報が収集できる仕組みがあるかもしれません。
今は最高のスキルを持っていても、トレンドや情報収集に疎い人は、数年後、フリーランスとして生き残るのは難しいと思います。高い感度のアンテナを常に張っておく必要がありますし、そういう情報を得られる場所に積極的に参加するという行動力も必要です。
フリーランスのデメリット
フリーは仕事をして報酬を得るのが基本です。つまり仕事しなくては無収入です。
病気や怪我で入院して、働けない期間が発生してしまうと収入もなくなります。
他にも取引先から突然、依頼が来なくなることも日常茶飯事ですし、実は時間が自由なようで、そうでもなかったりする側面もあります。
今では私自身、ワークライフバランスを大事にしており、土日もしっかり休んだり、他のクリエイターにもできるだけ土日は休む、日中仕事して徹夜はしないでと言っていますが、それでも土日、家族と出かけている時にもクライアントから電話がかかってメール対応したり、過去には朝の4時に電話で起こされたことなんかもありました。
海外旅行なんか行っても必ず1日1回メールチェック及びできる限りの対応はしたりしています。
フリーランスって、いつでも自由な時間だけど、完全に自由になれる時間は実はあまりないと思った方が良いと思います。
フリーランスの将来
現在、AIに奪われてなくなるだろうと言われている仕事、職種がたくさんあります。
それに該当している職種の方がフリーランスになったら、近い将来、その方はどうなるのでしょうか。
また、私がやっているデザイナーという職種も、現時点ではなくならないと言われているようですが、20年後はどうなるか分かりません。
上に書いたように、病気で稼げなくなるリスクもあるし、それらを考えると、ただ受託で仕事をこなすだけでは、やはりフリーランスは危うい立場の人間です。
そのリスクを減らすためにも、長年フリーランスをやっている人は、別のスキルを身につけたり、副業をやったり、あるいはそういう心配のない仕組み、システムを作ったりということをやっています。
私の話でいえば、グラフィックでスタートして、Webもできるようにスキルを身につけ、今は動画関連の勉強と英語の習得に注力しています。(何よりもこのGROW UPというフリーランスのクリエイター集団、チームを作ったことが大きな財産ですが)
それでもやはり、明日を不安に思うことはしょっちゅうです。
若い頃は私自身でも周りにもポジティブな人間と思われていたのですが、フリーランスという生き方はネガティブになることはしょっちゅうです。
まぁ、実際はネガティブな思考は大事だなとも思うのですが。。。
そのネガティブな考えを払拭するために、何か手を打つ訳ですから。
最後に
もちろん、私は高いスキルを持ったフリーランスが世の中に増えることは賛成です。世の中がフリーランスを重宝してくれるというのなら、それは当然嬉しいことです。
だけど、国がフリーランスのデメリットを無視して、ただ推進することに非常に違和感を持っています。もっというと、フリーランスが軽んじられているように聞こえ、私の乗り越えてきた苦労も軽くみられているように感じてしまうのです。
フリーランスって、やはり誰でもやってける訳ではないですし、だから働き方の1つという言われ方にも違和感を感じます。私の中では、フリーランスは働き方の1つではなく、事業・経営方法の1つです。
国が推進するからフリーランスになってみようではなく、やってやる!という強い覚悟を持って独立するものだと思います。
もし、国がフリーランスを推進するんだったら、まずはフリーランスの国民保険や税金を安くしてください。
フリーランス共通の悩みだと思いますが、頑張って働いて一生懸命稼いでも、結構な金額を持ってかれてます。。